「中国古代農業博物誌考」

胡道静著、渡部武訳

中国の農書、農業科学史、博物誌、科技人物史研究など論考15編ほか、随想3編を収録。(ISBN:90051、税込8500円)

 

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目次

凡例
 学誼・学恩・学悃―『中国古代農業博物誌考』の序にかえて―
第一章 中国古代の農学の発展概況と若干の古農学資料についての解説
第一節 主な古代農書に見られる伝統的農学の発展概況
 一 先秦時代における土壌・物候・耕作・栽培などの学説の進歩―『禹貢』・『管子』地員篇・『夏子正』・『呂氏春秋』上農等四篇
 二 耕作方法研究の進歩―『氾勝之書』
 三 栽培技術研究の進歩―『斉民要術』
 四 地力研究の進歩―『陳ふ農書』
 五 農具と農業機械研究の進歩―『東魯王氏農書』
 六 園芸技術の研究―『種樹書』
 七 野生食用植物の研究―『救荒本草』
 八 多収穫作物と経済作物の普及の研究―『農政全書』
第二節 新たに発見された若干の重要古農学資料
A 文献資料
 一 唐末・韓鄂撰『四時纂要』
 二 南宋初期・温革撰『分門さ砕録』農藝之部
 三 南宋末・陳懌撰『種藝必用』と元初・張福撰『種藝必用補遺』
 四 明・嘉靖年間編纂の農学資料彙編『樹藝篇』
 五 清の道光初期に編纂された農業機械専門書『水車図説』
 六 清の道光中期に編纂された松江地方水稲栽培学の専著『浦ぼう農咨』
B 考古発掘
 一 淮北平原の新石器時代の炭化小麦粒
 二 江漢平原の新石器時代の焼土中の籾殻
 三 浙江省呉興銭山漾の古文化遺跡出土の植物種子
 四 戦国時代の七雄諸国全域から発見された鉄製農具
 五 洛陽地区の前漢墓に副葬された穀物貯蔵用陶倉および陶壷
むすび
第二章 上海図書館所蔵の稀覯本古農書について
 一 元刊本『農桑輯要』の文化財的価値と学術的価値
 二 水稲栽培の経験をまとめた『浦ぼう農咨』
 三 『分門さ砕録』農藝巻は『種樹書』の元祖であること
 四 『稼圃輯』中の特殊資料
 五 二種類の朝鮮古版本漢文農学著作
 六 焦里堂『毛詩』生物学記事考察手稿
第三章 石声漢手稿『輯徐衷南方草物状』題記
第四章 現存本『南方草木状』の評価をめぐって
第五章 釈菽篇―中国古代農民の大豆根粒についての認識
第六章 周氏族が栽培したアワの優良品種「粱」について
第七章 こう白(マコモ)はいつ、どこで改良栽培されたか
第八章 中国古代瓜類考
第九章 音楽が作物に及ぼした影響についての古農書の記録
第十章 山東地方の農学の伝統
第十一章 農学史上における沈括の功績
 一 水利土木面での手腕
 二 「淤田法」の全面的支持
 三 両浙地方の農業水利の立案施工
 四 園芸栽培の記録
 五 耕作学方面の探求
 六 むすび
第十二章 科学技術百科『夢渓筆談』とその著者沈括
第十三章 『天工開物』とその著作宋応星
 一 宋応星とその時代背景
  1 五回の科挙落第
  2 『佚著四種』
  3 科学文化発展の一時期
 二 『天工開物』の内容・特徴・版本および海外への流伝
  1 工学著作の伝統
  2 『天工開物』著述の科学的態度
  3 中国内における『天工開物』流伝の盛衰
  4 各国語訳
  5 研究の主要成果
第十四章 徐光啓の農業研究歴
 一 徐光啓の生涯と学術・軍政面での活動
 二 作物の導入実験―第一期農業栽培実践
 三 「単種農疏」―第一期農業栽培経験経験の集大成
 四 北方での水稲栽培―第二期農業栽培実践
 五 『農遺雑疏』―第二期農業栽培経験の集大成
 六 第三期農業栽培経験の集大成と『農政全書』
第十五章 徐光啓の著作の新発見と研究
 一 徐光啓の軍事思想と辺境防備策の研究には広範な背景があること
 二 『考工記解』には「工学技術は万学の根本なり」の考えが多彩に説かれていること
 三 西洋数学の導入初期の著訳に新しい発見があったこと
 四 『詩経』研究方面に深い足跡を残したこと
 五 農学探求の苦難の道程とその重大な貢献について研究の余地があること
 六 「南糧北輸」の局面の是正、京畿東部地域の水利振興提唱についての資料が多く発掘されたこと
第十六章 ニーダム博士と『中国の科学と文明』
第十七章 『古史辨』が一青年に与えた衝撃
第十八章 抄校諷誦六十冬―私の古典籍研究の歩み
 胡道静主要著作目録
 訳者あとがき
 図版・表一覧